子宮外妊娠とは
正常な妊娠では、受精卵は子宮の中に着床しますが、何らかの原因により、 子宮腔以外の場所に着床してしまうことがあります。 異常妊娠の代表的なもので、これを「子宮外妊娠」といいます。
主な特徴としては、「月経がない・不正出血がある・下腹部が痛む」の3つが挙げられます。
とは言っても、これらの症状は正常な妊娠の際にも起こるものなので、
最初は自分では子宮外妊娠であるということに気付きません。
これらの症状の中でも最も注意が必要なのが、不正出血です。
生理がこないのに月経だと勘違いして、子宮外妊娠どころか、
妊娠していることすら気付かないケースも少なくありません。
最悪の場合、大出血を起こして初めてわかったなどということになりますし、
実際こういうケースもあるようです。
いつもより日数が短かったり、出血量が少ないと思ったら、
妊娠もしくは子宮外妊娠の可能性があります。
ですから、普段から月経周期やパターン、特徴をよく把握しておくことが大切です。
子宮外妊娠は近年増加傾向にあります。場合によっては命に関わるものですから、
少しでも疑われるような場合は、信頼できる医師にかかるようにしましょう。
一刻も早く病院へ
子宮外妊娠は、大きく分けて四つに分けられます。
まず、子宮外妊娠の97%がこれにあたりますが、卵管に着床する「卵管妊娠」、
子宮頸管に起こる「頸管妊娠」、卵巣の内部もしくは表面に着床する「卵巣妊娠」、
卵管流産の延長で起きる「腹腔妊娠」です。
このようなことが起こる原因ははっきり分かっていませんが、卵管が狭かったり、 受精卵を子宮の内膜まで届ける機能が弱かったり、受精卵自体に問題があることが 原因ではないかと言われています。
子宮外妊娠は、通常の妊娠と初期症状が同じなため、妊娠検査薬でチェックすると
陽性反応が出ます。
だからといって、産婦人科での診察を遅らせた場合、
赤ちゃんは流産してしまいます。正常な妊娠ではないので、
卵管が細く赤ちゃんが成長出来なくなってしまい流産してしまうケースが最も多いようです。
そして怖いのは、そのせいで着床した部分が破裂してしまうのです。
卵管が破裂した場合、膣からの出血がなく卵管で出血した血が内部に溜まってしまい、
下腹部に激痛を起こします。また、血圧が低下しショック状態に陥ってしまいます。
子宮外妊娠でも出産できるの?
子宮外妊娠をすると、着床した部分を取り除く手術をします。
受精卵を子宮の外から中へと移動させることはできないため、
そうする以外に方法がありません。
つまり、そのときの妊娠は残念ながらあきらめることになります。
でも、その後の妊娠は可能です。子宮外妊娠の手術で卵巣を取り除いても、
女性には卵管が2つあるので、不妊症にはなりません。
妊娠したら、自己判断で進めずに必ず産婦人科で診察することが一番です。 下腹部の痛みなどがなくても、お金がなくても、早めに必ず診察を受けるようにしましょう。